可能性のど真ん中

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人生を豊かにする、という決着をつけねばならない。男子陸上 末續選手。

こんにちは。24カクです。

以前に録画していた、陸上短距離界の末續慎吾選手の特集番組を見ました。

www.nhk.or.jp


(以下、ネタバレあり)

  • 現在でも男子200m日本記録の保持者、
  • 2003年世界選手権 男子200mで銅メダル、
  • 2008年北京オリンピック 男子400mリレー銀メダル

と、輝かしい結果を残しながら、周囲の強すぎるプレッシャーに耐え切れず、長期間競技から離脱。

近年、「走ることが大好きだ」という原点に立ち戻り、30代後半という年齢ながら競技への復活を果たします。

結果だけを求められるプレッシャー

ぐんぐんと記録を伸ばし、日本記録を取ったあたりから、周囲のプレッシャーは強まるばかり。

大会に出ても、「末續の最高記録は更新されるか?」、この一点だけが注目されるようになります。

競技離脱直前の大会では、競技結果は一位だったにも関わらず、記録の更新は叶わず。電光掲示板の記録を見た観客からは歓声どころか、一斉に「ため息」が漏れた、と言います。

自分では、手応えのある、納得いく走りだったにも関わらず


とにかく結果を求められる、

結果だけを求められる

そして、自分も自然と結果だけを求めに行ってしまう。

そんなプレッシャーに耐え切れず、北京五輪後に長期間競技から離脱することを決意します。

もう心身ともにボロボロで、走り終わって一位を取っても何も感じなかった、といいます。

長期離脱後の復帰

番組では、復帰後の末續選手が、30代後半という年齢に見合った走りとは何か?をテーマに、日々試行錯誤を重ねながら練習に取り組む姿が詳細に描かれます。


世界トップクラスで戦っていた末續選手、理論と共に「ベストな走り方」を知り尽くしている。

例えばスタートダッシュでは、「神経の感覚」としてはベストな状態を思い出し取り戻すものの、肝心の身体がついて来ず、後半で足を痛め失速します。

"最高の状態である神経"に、"30後半の身体"がついて来ない。

試行錯誤の結果、年齢に見合った走り方を最後には見つけるのですが(それでも全盛期のようなタイムにはならないのですが)、

その試行錯誤して日々改善を重ねる姿が、実に楽しそうで、「走るのが大好き!」という雰囲気に満たされてました。

スポーツは本来、一生懸命になって楽しむものなんだ!ということを体現するかのように。


番組後半の末續選手の言葉がとっても印象的でした。

  • トップを目指してこそ、最善のスキルと最新の情報が手に入る
  • だから、トップアスリートを目指す、という過程にはとても意味がある
  • だけど、それだけではいけない
  • スポーツでは結果を求める過程に意味があるが、結果が出ようが出まいが、「追求する」「極める」という行為を楽しむことにこそ本来の意義があるはず
  • そうであってこそ、「勝った」という結果を認めることが出来る。そして、逆に、「負けた」という結果を認めることが出来る。


自分が競技復帰を果たした時、マスコミのインタビューで受けた最初の質問は、「引退はいつ頃をお考えですか?」


そうじゃないんだ、と。


スポーツ界を取り巻くこの思想、空気こそが、スポーツ界全体をダメにしてるんだ、と。


トップを目指して、結果が出なかったら引退しなきゃいけないのか?

そうじゃないだろ、と。


「スポーツ」全体に対する、非常に大きな問題提起ですよね。


トップを目指して一生懸命に練習する、そのプロセスを存分に味わって楽しむ。


だからこそ、結果が出なくても、その結果を受け入れることが出来る


そうじゃなきゃ、東京オリンピックの後、結果の出なかった選手は誰一人浮かばれない、と。

そうならないためにも、自分のように実績のある選手がスポーツのあるべき姿を身をもって示さなきゃいけない、だからこの歳で競技に復帰したんだ、と。


カッコ良すぎます。


かつては世界トップレベルの実績を誇った選手が、今や年齢的に世界レベルは狙えないことが分かっていながら、敢えて「トップを目指して」競技復帰の道を選んだ背景。


スポーツ選手は、

「人生を豊かにする、という決着をつけねばならない」と。


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